生産施設である工場は様々な機密事項を扱う施設でもあることから、セキュリティ管理が徹底しています。中でも携帯電話など精密機器を扱う工場は特許を取得した技術が幾つも存在しているため、セキュリティの厳しさは別格と言っても過言ではありません。精密機器工場で導入されているセキュリティシステムでもっとも広く普及しているのは顔認証です。作業員の顔を予め登録することでロック機能と連動させ、施設内の出入りを管理します。
鍵のように盗難や複製ができないので、もっとも安全なロック機能と言えますが、一方でセンサーが劣化すると正しく反応しないおそれもあるので注意しなければいけません。また、眼鏡やマスクなどを使うと同じ顔と認証しないこともあります。指紋認証も顔と同様に安全なロック機能とされていますが、かさぶたなどの異物があると正しく認識しない可能性があるので万能とは言い切れません。そのため、工場では認証システムと旧来のカードキーを併用するなど、複数のロック機能を導入するのが普通です。
また、人の手によるチェックはもっともアナログで、なおかつ効果的なセキュリティ管理です。コンピューターによるチェック機能は効率的ですが、一方で誤認識による見逃しが起きる可能性は否定できません。悪意を持った人が工場から試作品やデータを持ち出すことがないよう、人の手でボディチェックを行うのは効果が高い方法と言えます。手間はかかるものの、大きなトラブルを防ぐのに役立つと言えるでしょう。